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記録帖

ロンドンのトルコ料理店訪問記、主にケバブ

 時は西暦2018年。イギリス――より限定的に言えばその首都、ロンドンで味わうことのできる食の種類は、現在では非常に多様なものとなっている。その様子は、おおよそ4年ほど前に私がこの国に初めて足を踏み入れた際に受けた印象と大きく異なるものではない。しかしながら英国在住歴の長い日本人、もしくは年配の英国人の方々からのお話を聞くたび、ここ数十年間でロンドンの食文化というものは比較的急激に変化(あるいは進化や改善という言葉をここで用いるのは妥当だろうか?)しているのであろうということを言葉の端々から伺うことができる。

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中央:玉ねぎの用いられた前菜、右下:トルココーヒー

 この国の食に対する評価がなかなか向上しないのは、やはり各通貨のレートと比較したときのポンドや物価自体(もちろん物によるが)の高さが鍵となっているのだと思う。実際に、母国で食事をするときの1.5~2倍ほどの値段を払って食べた料理が期待外れだった場合の落胆はかなり大きいので、反射的に「イギリス=メシマズ」という式を頭の中に思い描いてしまいがちだ。特に突然日本の味が恋しくなった旅行者の方々が、下調べをせずにうっかりと足を運んでしまった似非和食レストランの品質をこの国の食の平均として判断してしまうというケースは悲劇以外の何物でもない。と個人的には思う。

 私がごくまれに外食をする際に訪れるレストランは、日本でも他の国でも、主に低~中価格帯のお店だ。もちろん財力があればより異なる範囲のお店を訪れる機会を増やせるのだが、惰弱な学生としてそのようなことはなかなかできない。ゆえに検索する際のキーワードにはcheapやmoderately priced, budget, そしてaffordableなどという言葉がよく使われる。記念日などの特別な機会以外で自分が必要としている食事の要素は、ただ安いだけではなく、お腹を十分に満たすことができるもの。そしてロンドンでは、そういった条件で割と頻繁にヒットしやすいものがピザ屋、フィッシュ&チップス屋、一部のアジア料理――加えてトルコ(または地中海全般)料理店といった顔ぶれの店舗たちなのであった。

 Time Outでもときおり特集されていることがある。

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ラム肉のシシカバブ

 記事タイトルが示すように、ここでは自分が渡英当初の時点では見向きをすることも知ることも無かったトルコ料理店、ケバブ、またロンドン内でいくつかのレストランを訪問した際の所感についてが記載されていく。また次にどこかで食について書く際には、ロンドンという都市・土地柄の恩恵を受けて体験することのできた、非常に国際色豊かで本格的な料理たちについても言及してみたい。

参考サイト:

Time Out London (ロンドンのレストランやイベント情報サイト)

The Spruce (食を含めた生活情報サイト)

  • 「ケバブ」との邂逅

 それは東京で開催されている、デザインフェスタ――通称デザフェスと呼ばれている、アートやハンドクラフトを中心としたさまざまなブースが出展されている大規模なイベントでのことだった。いきなり何を言い出すのかと思われた方も多いと思うが、私が初めて口にしたケバブという料理は、この会場の片隅に出ていた数々の屋台のうちの一つで提供されていたものだったのである。そして正直な感想を述べるならば、これについては何も覚えていない、というほかない。例えば肉の種類も、調理方法も、味も見た目も。ゆえにケバブとのファーストコンタクトを行った際のことは濃い霧の彼方に消えているのである。そしてそれから数年後、母国から遠く離れた地で再びこの料理に出会うことになるとは考えてもみなかった。

 晴れて学生としてイギリスに足を踏み入れた私は当時知り合ったばかりのある人間に、どういうわけかロンドンから南西にある都市サウサンプトンで、某所にあるケバブ屋へと速やかに連行されることとなったのだ。それがUni kebabである。公式Instagramの画像をざっと眺めていて少し驚いた。ここを訪れた当時、お店の外観はより雑多な感じで、まさに駅前や街の片隅に佇んでいる、ほぼテイクアウェイ専門のお店といった様子であったからだ。今では肩書きも正式に「レストラン」というようなものになっており、お店が繁盛しているのであろうことが伺える。

 ここで食したケバブに対しても、ガーリックソースの風味を少し気に入ったということと、羊の肉というのも意外と悪くないな、という感想を抱くのみに留まっていた。私は豚肉と牛肉を心から愛している類の人間なので、この料理になじめるのかどうかかなり心配であったが、その点に関しては杞憂に終わった。サラダが付随していたので野菜を比較的多く摂取できることについて嬉しく思った記憶もある。この時の知人は薄暗い部屋で、開いたパソコン上に表示したUni kebabのメニューを前にそれぞれの品目を真剣に解説していたのだが、その光景が少々異様で面白かった。スクリーンから発される光で顔面の半分ほどが青白く照らされていた。

 イギリスでコストパフォーマンスの良い外食を求めた末にこのケバブという沼へと足を踏み入れてしまう人間の軌跡はweb上に散見されるが、彼もまたそのうちの一人であったらしい。その後も二人で行動することが多くなるにつれて、ケバブを一緒に食す機会が多くなった。何はともあれ、私達がロンドンという街でトルコ料理を求めさまよった旅路の回想をここからはじめよう。

  • Mangal 1

 Google Mapやウェブサイト上での表示はMangal 1、トリップアドバイザー上ではMangal Ocakbasiとなっているこの店名はトルコ料理店の界隈では非常にありふれているものであるので、私が今ここに掲載している特定のレストランを探す場合は店名ではなく、住所を入力して検索することをおすすめする。ちなみにMangalというのは主に中東風の炭火焼きバーベキューのことを指し、Ocakbasiはそういった形式の料理を提供するレストランのことを指すのだという。

 立地は北東ロンドンのダルストン駅近くだ。オーバーグラウンド線以外を利用する場合はバスが便利だが、陽が落ちてからこの地域を(無論ロンドンのどこであってもだが)1人で訪れたり歩き回ったりすることはおすすめしない。ちなみにこのお店ではアルコールを取り扱っていない代わりに、来店する人間が各々の好きなお酒類を持ち込んで食事と一緒に楽しむことができる。このとき私達が持ち込んだのはビールだった。

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アダナ・ケバブ

 ところで一口に「ケバブ」といっても、その名前が指す食べ物の種類は実のところ非常に多様なものである......ということをご存知だろうか。上の写真の手前に映っているのは、ひき肉を長い棒状にした後に串刺しにして焼き作られる、アダナと呼ばれるケバブだ。この名前はトルコにある都市からとられたものらしく、キーマ・ケバブとも呼ばれている。練り込まれた香辛料の少しぴりぴりする感じにとても食欲をそそられた。

 この場所も含め、大抵のケバブはスモールとラージのどちらかの分量を選ぶことができる。そしてここではラージを選択。お皿の上にはトマトやにんじん、レタス、加えてししとうのような味と見た目の野菜類がお肉と一緒に盛られて出てきた。個人的には炭火で焼かれたトマトの風味が好きだ。写真ではあまり伝わらないがボリュームがあり、お店を出る頃にはほとんど気分が悪くなるほどにお腹が一杯になってしまった(賢い人ならば、腹八分目程度になった時点でお持ち帰り用の箱に詰めるという選択肢をとるだろう)。

 このとき同行した人間も私と同じくらい満腹だと訴えていたのに、帰り道でバスを乗り換える際にいちど降車した場所で、どういうわけか再びケバブをテイクアウェイしていた。本人曰く「そうする必要があった、しなければならなかった」とのことだが、英国に来てからすっかりこの料理に意識の一部を乗っ取られてしまったようである。同情する。

 会計時には小さく四角くて甘い、まるで日本の甘味である求肥にそっくりなお菓子を頂いた。通称ターキッシュ・ディライト、正式にはロクムというものだ。これからトルコの甘味についても少しずつ記述していこうと思う。

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 さて、上記のMangal 1を訪れたのは昨年の秋のことだが、ここから紹介する残り4つのトルコ料理レストランは、実はすべて同じ地域に店舗を構えている。場所は北ロンドン、オーバーグラウンド線のHarringay Green Lanes駅からピカデリー線のTurnpike Lane駅まで真っ直ぐに伸びる、大通りのグランド・パレード。これらのお店の存在に気がついたのは、ここからさほど遠くない場所に私が引っ越したことがきっかけだった。

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自宅の付近

 この周辺にはトルコ系の移民の方々が多く暮らしており、レストランの他にもターキッシュスーパーマーケット、アクセサリーショップをいくつか見つけることができる。それでは、ある意味ケバブ激戦区ともいえるような地区、Green Lanesにて訪れたお店たちを掲載していく。

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  • Hala

 クリスマス休暇中の旅行を無事に終え、新年を迎えた後に訪れたボクシング・デー。この日もいつものように開店していた数あるレストランのうちの1つに私達は飛び込んでみることに決めた。ここで注文したのは前回も食したアダナケバブと、もう一つはシシカバブだ。

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左手前:チリソース

 シシカバブはもともと串刺しにして炭火で焼かれる肉や野菜全般を指して言う言葉だが、特に角切りにされた肉をそのように調理したものをそう呼んでいる。焼かれた角切りの羊肉にはくせがなく、また火が通りすぎて硬くなっているというようなこともないのでとても食べやすい。よく噛んでいくと煙の香りがしてくる。

 写真を見ると分かるように、この場所で提供されるものに付いてくるライスは色の違う2種類のものであった。ひとつはおそらくスパイスなどで褐色にされたものだと思う。量は少し多め。個人的にはパンの方が好きなので、食べきるのに苦労した(何度でもいうが食べきれなかったものは箱に入れて持ち帰ることができる)。

 基本的にトルコ料理屋では、メインを1皿以上注文した際には必ずナンのようなパンとそれにつけるもの(きゅうりの入ったヨーグルト風のソースやチリソースなど)、場合によってはサラダが無料で付随してくる。これが来店時の満足度を底上げしてくれる要因でもあるのだ。これ以外に前菜として何かを注文する場合もメニューから多彩なものを選ぶことができ、例えばトルコ料理の中でもMezeと呼ばれている部類の、小さなおつまみのような品目がよく取り扱われている。下に記載するページで紹介されているものたちの種類を眺めているだけでも、なんだかお腹がすいてきた。

主なTurkish Mezeの品目:

  • Diyarbakir(合計で2回訪れている)

  Green Lanesにあるお店の中でも比較的お値段が安めのものがここ。同じ通りにDiyarbakir Kitchenというレストランもあるが、それはこことは違うので注意。無料で出てくる前菜もパンと2種のソース、サラダに加えて、玉ねぎのマリネのようなものが出てくる。私はこのとき何か新しいものを試してみたい気分でいたので、メニュー上でヨーグルト・ケバブという括りに入れられていたものから、適当に一つを選んでみた。それが写真手前にある大きなお皿に広げられた、Sarma Beytiというケバブだ。

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薄い生地に巻かれたひき肉のヨーグルト添え

 まるでお花のように、白いヨーグルトを中心として、薄いパンにくるまれたひき肉のケバブが並べられている(場合によっては角切りの肉のこともあるそうだ)。この時の肉はラムを選んだがチキンにすることも可能。トマトソースもそれらの下に敷かれており、それがまた味に深みをもたらしていた。例えばお味噌汁があると白いご飯を食べる手がなかなか止まらないように、ヨーグルトとトマトソースがあると、ケバブの肉に休みなく手が伸びていってしまう。

 実はこのレストランには2回訪れていて、以前はイスケンデルという、これまたヨーグルトの添えられているタイプのケバブを食した。この記事で一番初めに使われてる写真の、左側の端に写っているのがそれである。こちらは日本でも比較的よく知られているドネルケバブをパンの上に重ねたものにトマトソースとヨーグルトを乗せ、さらに熱々の溶けたバターをかけるという代物だったのだが、食後はまるで胃が風船のように膨れてしまった。おいしさは本当に申し分なかったのだが、これは量という点で、2人で1皿を共有するくらいが丁度いい。

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お茶とデザート

 食後にお茶はいるかと尋ねられ、せっかくなのでお願いすると、なにやら黄色いスポンジのようなものも一緒に提供された。ちなみにこれらはお会計に含まれておらず全くの無料である。甘いシロップのようなものに浸かったこのデザートはどうやらレヴァニ(これはトルコ語、アラビア語圏ではバスブーサ)と呼ばれるお菓子らしく、最初に見た時はカステラのようなものを想像していたのだが、実際はよりしっとりとした舌触りで、微かにレモンのような風味もした。後に調べてみたところ、基本的なレシピにはオレンジフラワーウォーターが使われているとのこと。どうりで柑橘系の香りがしたわけだ。

 最後に伝票を確認すると、前菜からデザートまで至れり尽くせりの品々を楽しんだのにも関わらず、2人分の合計は(サービスチャージ抜きで)£23であった。ロンドン内ではとてもお手ごろな価格であると思う。

  • Selale

  夜の大通りをTurnpike Lane駅に向かってしばらく歩くと、何やら鉢に植わった多くの植物に囲まれた(ガーデニングに関する賞を過去に受賞したことがあるらしい)店名が青く光っている建物が見えてくる。そこがこのSelaleというレストランで、2014年から2016年の3年間連続で、ブリティッシュ・ケバブ・アワードのベスト・バリューの項を受賞しているお店だ。その日はアーセナル(サッカーチーム)の試合が近郊で行われていたこともあってか、周辺のレストランも含めてかなりの賑わいだった。

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左:カクテル(マルガリータ)

 アルコール類が妙に充実していることに対して意外に思ったが、最近のトルコ料理店のレストランの中にはそういったところも多いようだ。お店の隅はバーカウンターのようにもなっている。

 ここではスタンダードにシシケバブを注文し、それに関しては特別にコメントすることは無いのだが、何といってもパンの付けあわせとして出てきたチリソースがとても好きな感じのものだった。理由は分からない。どういうわけか他のどのレストランで出てきたものよりも味に深みがあって、辛さがあるのにもかかわらず、ヨーグルトのソースとも合わせてひたすらにパンを食べ続けてしまった。一体何が違うのだろう。またサラダに使われているそれぞれの野菜の割合も気に入っていた。

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パンとライス付き

 ここでも嬉しい驚きがあったが、食事の後に無料で提供されたのはバクラヴァという中東のデザートで、それはミルフィーユ状に重ねられた薄い生地に、細かく砕かれたカシューナッツやクルミなどの豆類が甘く味付けされて挟まれているといったようなものだ。私はクルミが大好物なので大喜びしながらこのバクラヴァを味わい、次に同行者が注文していたラム酒を口に含みながらちびちびとその端を噛んでみたが、意外にもそのふたつはよく合った。

 お酒類を注文してつい合計金額を上げてしまったけれど、料理自体の値段は他のレストランとほとんど変わりない。雰囲気もサービスもよかった。これは余談だが、私達が食事をしている最中に2組もの団体が誕生日用のお祝いケーキを注文しており、それらがテーブルに運ばれるたびに、店内のBGMが奇妙で軽快なリズムのものに変わるのが面白かった。そういったイベント専用に設定しているものなのだと思う。

  •  Gökyüzü

  上記のレストランSelaleの項でブリティッシュ・ケバブ・アワードについて言及したが、こちらは2017年度に、北と西ロンドンの中でのベストレストラン賞を受賞したお店である。夕食時に訪れたもののなんとか席を確保できたが、やはり人気があるようでかなり賑わっており、入り口付近のテイクアウェイスペースも大盛況だった。店内は最近改装したばかりのようで、新しくきれいな感じがする。

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右下:トルコのお茶

 サラダには酸味のあるドレッシングが振りかけられていて、なかでもニンジンをおいしくいただいたのだが、トマトは少なめ。この分量が多かったら私はもっと幸せになれていただろうと思う。パンにつけるヨーグルトときゅうりのソース以外には、ミント風のソースとチリソース(これは少量でもかなりの辛さがあった)がそれぞれの机に備え付けてあるので、好きな分量をかけられる。ターキッシュティーの1杯目は無料で提供してもらえるというのが嬉しい。

 ちなみにここだけではなく、ターキッシュティーは大抵のトルコ料理レストランで最初の1杯が無料になっており、その後おかわりするごとに£1が追加されるという形式の場所がよくある。個人的にはタップウォーターを氷とレモンと一緒に出されたことにも好感がもてた。

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鶏肉と羊肉のミックス

 さて、今回は珍しく羊のケバブだけではなく鶏の方にも興味を持っていたので、ミックスドネルケバブを注文してみることにした。ライスが付属してくる。そもそもドネルケバブをきちんと食すること自体これが初めての経験であったかもしれないという気もする。どちらの肉にも香辛料がきいており、特に鶏のほうに味がしみていて美味だと感じた。そして過去の失敗からようやく私は学んだので、半分程食べてお腹が十分に膨れたところで残りをお持ち帰り用の箱につめ、次の日のお昼ご飯がドネルケバブに変わることとなった。

 日本の友人たちにケバブのことを話すとき、やはり真っ先に思い浮かべてもらえるのは串刺しにされた巨大な肉が、ガラス越しにくるくると回っているあの印象的な姿だ。ドネルケバブはこのようにレストランで食べるものも悪くないが、やはり屋台やテイクアウェイのカウンターで、ピタパンに野菜とともにくるまれた状態で出されるものにソースをかけて食べるとおいしさが増す気がする。

 トルコ料理レストランではもちろんケバブだけではない多彩なメニュー、例えばお魚を用いた料理なども取り扱われているので、また機会があれば試してみたい。デザートも然りだ。英国に留学してからというもの、食事に対する執着のようなものに一段と拍車がかかってしまったような気がする。

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 実際に知人に紹介されるまで全く意識したことがなかったが、ロンドンにおけるケバブは「お手ごろな値段でお腹いっぱい食べることができる」「野菜を比較的多めにとることができる」などの嬉しい要素がいろいろと詰まっている。夜中まで開いているお店が多いのも魅力的だ。

 なかでもデザートのバクラヴァについては本当に気に入ってしまったので、今度はそれらの商品を扱っているベーカリー(Green Lanes周辺にいくつか見つけた)にそれを買いに行ってみるのもいいかなと考えていた。そして、そして、未だ試したことのない中東のデザートのなかで、自分が絶対に気に入るであろうことが分かってしまうのがこれだ:

 クナーファ、もしくはキュネフェなどと呼ばれているデザートで、モッツアレラやリコッタといったチーズがたっぷりと使われており、それがさらに、シュガーシロップがしみ込んだ生地に包まれているんです。例えばチーズ数種のみがのせられたピザに蜂蜜をかけて食べるのが好きな自分にとっては罠のような存在だが、こんな罠が存在するのならば、私は喜んで引っかかりに行くだろう……。

4月30日 追記:

 さて、これらについて書き終えたのはおおよそ2週間ほど前のことだが、先日にようやく、実際に上記のデザートを口にすることのできる機会に恵まれた。

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 使われているシロップの量の割には、甘さは思ったよりも控えめだった(といっても通常の感覚からすると十分に甘い)。クルミやピスタチオなどの豆の風味を感じることができ舌が幸せになるうえ、セイロンなどのお茶によく合うので、ぜひマグカップを片手にどうぞ。ちなみに訪れたお店はこちら。